賃貸オーナーとしてマンション、アパートなどの不動産を賃貸した時に得る家賃収入は、「所得税」「住民税」の課税対象です。確定申告や節税のポイントを踏まえ、ご紹介します。
賃貸経営で得る家賃収入は、不動産所得として「所得税」の課税対象になります。1月から12月の所得に対し、その年に納税が必要です。「住民税」は、所得税が確定した後にその情報を元に計算され、所得が発生した翌年に、算出された住民税を納めることになります。それぞれの税金は、収入から様々な「控除」を差し引いて計算されますが、この控除額は、所得税、住民税で異なります。
また、普段「源泉徴収」で会社を通して「所得税」を納税しているサラリーマンも、賃貸経営により20万円以上の「所得」がある場合は、賃貸オーナー(大家)として確定申告が必要になります。
「所得」は、「収入」から必要経費を差し引いたものです。賃貸経営における「収入」とは、家賃、共益費、礼金等が含まれます。「必要経費」とは不動産に関わる固定資産税、管理費、修繕費、損害保険料、減価償却費、借入金の利息等があります。所得税は、上記の必要経費を差し引いた「所得」に対して課税されます。
給与所得や退職所得以外の所得の合計が20万円以上になる場合、賃貸オーナー(大家)として確定申告が必要です。
確定申告は、「青色申告」と「白色申告」があり、税額が異なります。 「白色申告」は、所得が300万以下の場合、年間の取引を帳簿に記録する「記帳」は必要ありません。一方、「青色申告」は、記帳の義務があり、一定の条件を満たした詳細な記帳を行う必要がありますが、様々な税法上の優遇措置を受けることができます。
「青色申告」は主に以下の3つのメリットがあります。
青色申告特別控除 | 所得金額から最高65万円または10万円を控除できます。 不動産所得に関わる取引を正規の簿記の原則により記帳し、賃借対照表及び損益計算書を確定申告書に添付した場合に、65万円、それ以外の場合10万円を控除できます。 |
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青色事業専従者給与 | 15歳以上の親族が、不動産経営を手伝っている場合、それに対する給与が必要経費として認められます。(過大な額や、従事する期間が少ない場合は認められません。)一方、「白色申告」の場合は、配偶者の場合86万円まで等の上限があります。尚、適用を受けるためには、届出書の提出が必要です。 |
純損失の繰越控除と繰戻 | 住宅ローンの返済等で、その年の所得が赤字になった場合(純損失)、その赤字を翌年以降の3年間に渡って、各年の所得から差し引くことができます(純損失の繰越控除)。また、前年も青色申告している場合、純損失の全部、または一部を前年分の所得から差し引くことができ、還付を受けることもできます(純損失の繰戻)。 |
「減価償却費」とは、建物や設備などが経年劣化によって減少する「価値」分を、必要経費として計上し控除することです。毎月の償却額が一定になる「定額法」と、初年度の償却額が多く、年数を経るに従い少なくなる「定率法」があり、いずれかを選択することができます。(ただし、平成10年4月以降に取得した「建物」は、「定額法」しか適用できません。)
実際の支出を伴わない経費のため、所得税の軽減にとても役立ちます。
その他、一定の所得金額を超えると「個人事業税」という税金も課税されます。詳しくは、不動産会社に相談してみましょう。
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