賃貸経営における「利回り」とは、物件の購入費や建築費等の投資額に対する利益の割合のことであり、収益力を捉える一般的な指標のひとつとされています。このページでは、不動産投資における代表的な2つの「利回り」をご紹介します。
「表面利回り」は、年間の家賃収入を物件の購入価格で割った数値です。「単純利回り」ともいわれ、賃貸経営に必要な修繕費等の諸費用や物件購入時の諸費用などは、考慮されていません。投資物件情報の「利回り」は、この「表面利回り」が記載されている場合が多いようです。 一般的に、10%程度の「表面利回り」の確保がひとつの目安とされています。
土地購入費 + 建築費用:1億2千万円 / 家賃月額:月10万円 10室 の場合
(※年間の家賃収入:10万円 × 10室 × 12カ月 = 1,200万円)
表面利回り:1,200万円 ÷ 1億2千万円 × 100 = 10.0%
「表面利回り」は、単年度の指標であり、あくまでも表面的な数字です。不動産の老朽化で修繕費用等の経費がかかる場合や、空室率などは考慮されていないため、「表面利回り」だけを見て判断するのは危険です。収益力を捉えるための目安として使いましょう。
年間の家賃収入から、固定資産税、火災保険、管理費、修繕費などの諸経費を差し引いた実質的な家賃収入を、物件の購入時にかかった諸費用を加えた総投資額で割った数値です。管理費などの運用経費も考慮して試算するため、「表面利回り」に比べより正確な収益力を判断するために便利な指標です。「実質利回り」は、一般的に6〜8%程度の確保がひとつの目安とされています。
「実質利回り」は、管理費などのランニングコストを差し引いて試算するため、実際の経営効率に近い利率が算出できます。「表面利回り」だけでなく、「実質利回り」も把握しておくことが大切です。
不動産の物件情報に記載されている「利回り」は、「表面利回り」の場合が一般的です。
また、満室を想定した「想定利回り」である場合も多く、家賃をその物件内の最高額で試算している場合もあります。記載されている「利回り」の詳細を不動産会社に確認しましょう。
・実質利回りは、何%? また、どのように試算している?
・家賃はどのような基準で計算されている?
計算上の利回りがいくら高くても、「空室率」によって家賃収入は変わります。
立地が良い物件や、人気の設備が整った物件の場合などは入居率を高く保つことができますが、物件によっては常に入居率を100%にすることは難しいかもしれません。賃貸オーナーとして成功するために、まずは、環境や立地、流行りの設備などを考慮して、空室率を想定し、自分で利回りを計算してみると良いでしょう。
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