賃貸経営は、メリットとリスク(デメリット)の両方を伴います。賃貸経営を成功させるためには、特に、賃貸オーナー(大家)の立場からリスクを事前に把握し、失敗しないための対策を立てておくことが大切です。
アパート、マンション経営などの賃貸経営は、賃貸オーナー(大家)として健全な経営ができれば毎月安定した家賃収入を長期に渡って得ることができます。私的年金として、老後の生活資金の確保を目的に賃貸経営をしている方も多くいます。
万一の時、不動産は資産として家族に残ります。住宅ローンを完済していない場合も、アパートやマンションの住宅ローン契約時の「団体信用生命保険」の加入により、ローンは保険で支払われるため、家族にローンは残りません。残された家族は、賃貸を継続する場合は家賃収入が得られ、売却した場合にはまとまった資金が得られます。
将来、物価が上昇し、貨幣価値が下がってしまった場合、インフレに合わせて価値が変動する「現物資産」として不動産を所有することは、インフレ対策として有効です。
アパート、マンション経営などは、通常金融機関の融資を受けて購入するため、初期投資額が少なくても始められます。購入後は、賃貸オーナー自身が家賃収入からローンを返済するため、購入後も少ない資金で運用できるのが賃貸経営の特徴です。
賃貸住宅の場合、駐車場や遊休地などの「非住宅用地」に比べ、固定資産税、都市計画税がそれぞれ1/6、1/3(1戸200㎡まで)になるなど、税金が軽減されます。また、相続税は、アパート、マンションが建築されている場合は「貸家建付地」として更地などに比べ約2割、相続税評価が下がり税金が安くなるなど、税金が大幅に軽減されます。 賃貸経営にかかる税金については、「賃貸経営に関わる税金」をご参照ください。
賃貸経営の中でも、心配なのが空室のリスクです。空室が多いほど、家賃収入は減少します。空室の原因は立地と賃料設定に起因にしているものが多いようです。また、設備などを充実させることにより、空室のリスクを回避することができます。プロである不動産会社によく相談して賃料設定や、投資物件の購入等を進めましょう。 また、空室時も家賃保証等をする「サブリース」サービスを取り扱っている不動産会社もありますので、不動産会社に相談してみましょう。「サブリース」の相談をしたい方は、こちらのページをご参照ください。
賃貸住宅経営において、経年劣化による建物の老朽化は避けて通ることができません。老朽化した物件は、入居者の確保が困難になり、家賃を下げざる得ない状況になります。収支計画を立てる際、管理費や修繕費などの「ランニングコスト」をあらかじめ想定して試算しておくとよいでしょう。収支計画を立てる際のポイントは、「賃貸経営の収支計画」をご参照ください。
火災、地震などの自然災害で、建物が倒壊、消失してしまうリスクがあります。火災保険など、保険には加入しておきましょう。
「変動金利(または固定期間選択型変動金利)」を利用して賃貸経営を始める場合、金利上昇の際、ローン返済額も上がります。金利変動も考慮し、余裕を持った資産計画を立てることが大切です。今後金利上昇が予想される場合、固定金利期間を長くする、または固定金利での融資を受けるなどのリスク対策をしておくと安心です。
急遽、売却することにし現金化しようとしても、早く売却できるとは限りません。買い手が見つかっても、必ずしも希望価格で売却できないケースも考えられます。賃貸住宅経営は、賃貸オーナー(大家)の立場から自分の資産の運用方法を明確化し、長期的視野で計画を立てていくことが大切です。
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不動産売却、不動産査定